都市産業を考える 3
東京湾の工業地域といっても、墨田区、江東区、あるいは大田区など・・・
いわゆる中小企業が大手企業の手足となって働く地域と、大手企業そのものが立地する京浜工業地域とはその性格がちがい、それらは分けて考えないといけません。
大きい土地と設備を持つ巨大企業は力があるので、一見その土地利用は動かしがたいように思われるが、自らの意志によって工場移転が可能となります。
これらの巨大企業には地域を変えてゆく主体性と責任があります。
むしろ問題になるのは中小企業群が立地する湾岸地域でしょう。
たとえば大田区について考えてみます。
大田区には日本の先端企業の試作品製造を引き受けている中小・零細企業がネットワークとして多数存在しています。
このような中小・零細企業が、小さな企業規模、売り上げで生きながらえていられるのは、大田区に立地し、高密な情報交換が安い費用でできるからです。
また、そこには職人芸が生きています。
その職人芸によって試作品のような一品生産が出来るのです。
しかし、彼らはすでに高齢化しているので、その高度の職人的技術力を保存するためには、世代交替が円滑に進められなければなりません。