都市産業を考える 5
装置型の京浜地帯や千葉臨海地域の工場と、大田区に見られる30人や100人といった従業員規模の工場では、意味あいが全く異なります。
大田区に見られる職人芸的技術の一例に「しぼり」という特殊技術があります。
それによって東京駅の「銀の鈴」がつくられました。
また、ココムで問題になった原子力潜水艦のプロペラも、大田区にある技術力によってつくられたものです。
大田区の工場群は、多摩川の対岸の川崎市にある矢口や下丸子と付き合うことで、横型の情報交換ラインを確保できます。
大田区の工場主は、川崎にある大手企業の下請であるという責任感と、逆に彼らの二次下請として、川崎の矢口や下丸子の工場を対象にしているという自負心を持っています。
このように、縦型と横型の情報交換のラインアップの中に、自分達の位置付けをしているのです。
工業系をウォーターフロントのなかに位置づけていくといっても、工業系の内容をかなり細かい部分まで分析していかないと、体系的にまとめあげていけません。
大田区自体の工業地域のなかにも、工作機械の修理を主体とする工業形もありますし、少量一品生産の製品を基盤としている工業系もあります。
また、ソフト開発主体の工業系もあるのです。