ドルの転落 2
「同様に重要なのは、ドルが強かったおかげで、アメリカは受け入れ可能なコストで、世界中に軍事基地を建設することも、アメリカの力を国際的に投影することもできたことである・・・。」
・・・このような状況でしたから、第二次大戦直後は250億ドルと、世界の金保有額の4分の3を握っていたアメリカから、1960年代末にかけて、急速に金が流出しはじめたのです。
1968年には4分ごとに100万ドルの金が流出しました。
このドル危機が引き金となって、世界は深刻な通貨危機に陥ったが、もちろん最もひどい打撃を受けたのは、本家本元のアメリカでした。
同じ年に戦後はじめて経常収支が赤字に転落したが、もともとこうした国際収支の危機に慣れていない政府は、ビナインー不グレクト(無策の策)を決めこむしか手はなかったのです。
しかし、アメリカでは1970年には本格的景気後退となり、実質GNPの伸びはマイナスに転じました。
・・・こうなると、ニクソンにとって、心配は1972年にひかえた大統領選でした。